統一教会のダミー団体「世界戦略総合研究所」

政治系シンクタンク「世界戦略総合研究所」について、以前つくったNAVERまとめが非表示にされ、団体の公式サイトも閉鎖1)活動は現在も続けているされたので記録として。主に2012年頃に集めた古い情報なのでリンク切れが多いですが悪しからず。

世界戦略総合研究所の特徴

世界戦略総合研究所は公式ウェブサイトで自主憲法制定や集団的自衛権の容認などを主張。また共産主義や“左翼唯物思想”を批判していることから保守的・右翼的なシンクタンクであることが伺える。

こちらのページでは「純潔」を推奨。純潔といえば統一教会の大きな特徴のひとつでPureLoveラリー(純潔ラリー)が広く知られている。

8) 家庭崩壊・不倫防止・青少年の純潔保持に努める
如何に国が強大で繁栄していても、家庭が崩壊し、性が乱れ、不倫が蔓延すれば国家は内部から崩壊する。青少年が純潔を失い淫乱が蔓延すれば、同様に国家の未来は危うい。この問題の解決には国家的規模で取り組まなくてはならない。

I. 日本の存在目的・三項目 | 世界戦略総合研究所

まだ研究所が旧称の日本国家戦略研究所だった頃の公式サイトでは「国際ハイウェイ」の建設を提言。国際ハイウェイも統一教会が推進しているプロジェクトで、あの日韓海底トンネルはこの一部になる。加えてこちらでは宗教教育の導入も謳われている。尚、旧称が日本国家戦略研究所だったことは新HP旧HPに掲載された同一の電話番号からも確認できる。

(17) 国際ハイウェイの建設を推進する
日本は島国であるので、何かにつけて孤立化しやすい傾向があるので、アジア大陸と国際ハイウェイに結ばれることによって、人と物の往来を活発にして産業経済の活性化を図ると共に文化の交流を容易にすることによって、新文明の形成に寄与する道が開かれる。既に九州の長崎から韓国に向けての海底トンネルの試掘りが行われているが、これを日韓両面の国家的プロジェクトとして取り上げるべきであろう。

日本国家戦略研究所

所長の阿部正寿とは何者か

下は世界戦略総合研究所の所長・阿部正寿の著書『新堕落性の構造』をスキャンしたもの(クリックで拡大)。略歴にある「統一原理」とは統一教会の教義のことで、文鮮明は言わずと知れた統一教会の教祖。また、「祝福」を受けたというのは統一教会では合同結婚式に参加したことを意味する。つまり、ここには統一教会の信者だと書かれていることになる。なお、版元の光言社は統一教会の系列企業。

1969年に行われた合同結婚式には43組86人の信者が参加し、この夫婦たちは教団内で43双(または43家庭など)と呼ばれる。43双の中には12組の日本人夫婦がおり、日本統一協会ではこれを12双と呼んだりする。日本人で最初に「祝福」を受けたのは1968年の合同結婚式に参加した日本統一教会初代会長の久保木修己(430双)で、12双はそれに継ぐ古参信者になる。

若かりし頃の阿部正寿夫妻(左上)と、その同期に当たる12双の幹部信者たち。日本統一教会第2代会長の神山威、同第4代・第9代会長の小山田秀生、第5代会長の桜井設雄、第6代会長の石井光治、第12代会長の梶栗玄太郎という錚々たる顔ぶれ。(一部画像は削除)

下は統一教会機関紙のひとつ中和新聞に掲載された写真で、2012年5月12日に催された「四十三家庭祝福四十三周年記念祝賀会」の模様。1969年組の43双(12双)が43周年を祝う行事で、記事でも阿部正寿の言葉が紹介されている。文鮮明夫妻の額縁の斜め前に立っているのが阿部正寿に見える。

「天地人真の父母定着実体み言宣布大会」の様子を伝える統一教会世田谷教会のHPから。

ここでイスラームの断食(ラマダン)の時間が明けて夕食が始まると、和やかな歓談のひと時がもたれました。そして、三人の新平和大使に文亨進世界会長から 認定証が授与され、「エルサレム平和宣言」に署名をし、最後に阿部正寿先生の音頭による億万歳三唱をもって、歴史的な式典は終了しました。

世界基督教統一神霊協会(統一教会)世田谷教会

統一教会系列の世界日報にも阿部正寿という記者。

いわゆる「青春を返せ裁判」の判決文にもが登場。全国霊感商法対策弁護士連絡会のHPから。

「成約の鐘」の昭和四九年二月号(甲A一)には、「広報委員長阿部正寿」の「教会の活動方針」と題する文章が掲載されており、その中には、(略)などの記載がある。

損害賠償請求事件 札幌地裁判決(平成13年6月29日)

海外のサイトでも Masatoshi Abe の名前が確認できる。ちょうど著書に書かれた経歴とも符合する内容。ちなみに統一教会は英語で Unification Church と綴る。

Each regional leader took responsibility for developing their respective region. (The regional directors were assigned as follows: Central Europe, Kwang-kee Sa; Southern Europe, Kunihiko Shibanuma; Northern Europe, Masatoshi Abe; Eastern Europe, Takenori Hashimoto.) On November 5, 1993, Reverend Kwang-kee Sa was appointed continental director of Europe, and during his inauguration he made the slogan, “One Europe, New Europe, Great Europe.” Centering on Germany, he began to accelerate the witnessing efforts across the continent.

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これは文鮮明死後の2012年9月に韓国の新聞で発表された聖和委員会(葬儀委員会)の名簿が韓国語のウェブサイトに掲載されたもので、三男の文顕進ファミリーが除外され話題になった文鮮明の「遺族名簿」としても知られるリスト。統一教会の幹部達と共に阿部正寿や研究所関係者の名前が確認できる。

阿部正寿の右手薬指には合同結婚式参加者に贈られる統一教会の「祝福指輪」らしきもの。統一教会信者が代表を務めるNPO法人「未来構想戦略フォーラム」のHPから。

阿部正寿の隣は「未来構想戦略フォーラム」代表の大脇準一郎という人物。大脇は統一教会の信者で前述の聖和委員会にも加わっている。 未来構想戦略フォーラムについては以前、朝日新聞でも報じられている。

研究所の関係者

世界戦略総合研究所の関係者には所長以外にも統一教会員と思しき人物がいる。研究所で役職に就く者、もしくは研究所との接点があり且つ統一教会と関係が深い13人について。ペマと黄は統一教会関係ではお馴染みでも信者ではないと思う。(詳細はリンク先〔表示が崩れたのでリンク削除〕)。

河西徹夫 日本国家戦略研究所理事/講師、早稲田大学原理研究会OB、国際勝共連合事務総長、777双、『人類の救世主文鮮明先生と朝鮮半島南北統一』の著者。
宮本憲英 世界戦略総合研究所理事、統一教会初代宣教部長、777双?
長嶋朋爾 世界戦略総合研究所主任研究員/客員研究員、世界日報社営業部長、世界平和教授アカデミー出版局長、文鮮明聖和委員会メンバー。
小林幸司 世界戦略総合研究所事務局次長、世界日報関係者、「桜を見る会」に毎年誘われるなど安倍首相と親しい。
赤城勲 世界戦略総合研究所事務局長、未来構想戦略フォーラム関係者、文鮮明聖和委員会メンバー、777双か?
山崎博 世界戦略総合研究所講師、UPI通信社(統一教会傘下)東京支局長。
横山裕史 日本国家戦略研究所寄稿者、『世界を救う東洋の波』『地球革命』を統一教会系列の光言社から出版、世界平和教授アカデミー寄稿者。
岩大路邦夫 日本国家戦略研究所主任研究員、『スピリットランド』『誰も書けなかった死後世界地図』(共に統一教会系列の出版社「コスモトゥーワン」)の翻訳者、文鮮明聖和委員会メンバー。
加藤幸彦 世界戦略総合研究所講師、世界戦略総合研究所筆頭理事、未来構想戦略フォーラム世話人。
小林正 世界戦略総合研究所講師、世界戦略総合研究所評議員? 世日クラブ・国際勝共連合・世界平和連合など常連。
黄文雄 世界戦略総合研究所講師、未来構想戦略フォーラム講師、世界平和教授アカデミー寄稿者、世界戦略総合研究所評議員?
ペマ・ギャルポ 世界戦略総合研究所講師、世界戦略総合研究所評議員? 世日クラブ講師。

政治家との繋がり

下は安倍晋三が研究所の定例会で講師を務めた際に撮られた写真。右下には中川秀直もいる。(クリックで拡大)

“安倍晋三先生と握手する阿部会長” - 活動とあゆみ | 世界戦略総合研究所

http://sekai-soken.heteml.jp/image/history15.jpg

“戦略研の講師として来られた安倍晋三先生” - 活動とあゆみ | 世界戦略総合研究所

http://sekai-soken.heteml.jp/image/history14.jpg

安倍晋三先生 | 高鳥修一 たかとり修一 (衆議院議員 自民党 新潟六区) 公式ブログ

http://takatori55jim.files.wordpress.com/2012/07/20120730181708.jpg

安倍家と統一教会の関係は晋三の祖父・岸信介の時代に始まる。岸は国際勝共連合の創設にも関わっており、教祖・文鮮明が米国で収監されると釈放を求める嘆願書を米大統領に送っている。渋谷区にある岸の邸宅には統一教会本部が隣接しており、岸もしばしば教団へ足を運ぶほど蜜月だった。父・晋太郎もま た同僚議員を原理セミナー(教団のセミナー)に誘い教団の発展に寄与したとされ、安倍晋三には有名な2006年の「祝電事件」がある。

義家弘介も研究所で講演。ジェンダーフリーや過激な性教育に反対する統一教会は教育問題に熱心な議員を積極的に支援する。

山田宏は過去に未来構想戦略フォーラムでも講演している。

下の写真は「青年真志塾」が2012年2月14日に開いた月例会のひとコマで中央が阿部正寿、向かって左が下村博文、中奥は小林幸司、そして右手前 が塾長の神谷光徳という人物。この神谷は新興宗教「生長の家」(分派でない方)の幹部信者で、青年真志塾は実質的に安倍晋三後援会のような組織。青年真志塾についてはこちら

産経新聞との関係

産経新聞といえば教祖・文鮮明の声明や合同結婚式の広告を紙面に載せたり、かつてはリトルエンジェルスの来日公演をサポートするなど教団とは近いことで知られるが、やはり同研究所でも田村秀男(産経新聞社特別記者・編集委員兼論説委員)、山際澄夫(元産経新聞記者)、今井久夫(元産経新聞論説委員)、阿比留瑠比(産経新聞政治部記者)といった面々が講師をしている。

阿比留瑠比

〈敬称略〉

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脚注   [ + ]

1. 活動は現在も続けている

2 Responses

  1. 匿名希望
    匿名希望 · 12月 16, 2015 at 03:07:47 · →

    よく調べられましたね。
    見事です。

  2. 三毛猫
    三毛猫 · 6月 14, 2016 at 10:04:06 · →

    初めまして。
    今年夏の選挙投票の参考の為に日本会議と統一教会、CIAとの関係を調べていくうちにこちらにお邪魔しました。
    とても解り易かったです。
    拝読させて頂き、有難うございました。

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